ロックギター講座 カッティング編
今回のギター講座はカッティング編です。
前回はブラッシングというミュート(消音)状態でピッキングして「打音」を弾くものでした。
今回はそのミュートしていた指板の手でブラッシングのリズムに合わせてコード(和音)を押さえることで単調なブラッシングのリズムに音を加えてみましょう。
初心者であれば、この演奏技法を知っているか知らないかで、この先のレベルアップに大きく影響(違い)が出るはずです。
専門学校ではこの演奏技法だけで毎日、毎日、一日中カッティングの練習をしていたものです・・。(ひと月くらい徹底的にね・・。)
というのも、スタジオミュージシャンの様に、お仕事となると求められるスキルがこのカッティングとなるからです。
「マジで、じゃあ今の仕事辞めて明日から俺、スタジオミュージシャンになるわ!」
と誤解を招くような言い方ですが・・・。
何故・・カッティングを延々と練習させられるかと言いますと・・。
「リズム感」を鍛えている訳なんですね~。(いや~これがほんと大変なのよ・・。)
それに加えて譜面を見てコードチェンジをこなしていく・・・みたいな・・。
(慣れればそんなに大したことではないです・・。)
つまりですね・・このカッティングが出来る様になると・・。
・・・・・・・・。
一気に・・。
・・。
やることが増えまーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!(パチパチパチパチ)
(紛らわしくてすみません・・。)
簡単に説明しますと・・。
・譜面を見る必要性が出てくる。
・リズム感の必要性が出てくる。
つまり・・・曲が弾ける様になっちゃうんですね~・・・。(涙)
では、カッティング編いってみましょう。
1小節16分音符のブラッシングにコードを加える。
上記に記した1小節は前回のブラッシングにコードを加えた表記です。
コードは左上にAと記されています。
実際の譜面でも、このようにコードが記されています。
上記の場合では1小節全てをAコードで弾くことになります。
しかし当然のごとく、1拍ずつ違うコードが表記されている場合もあります。
そしてコード音を出す位置(音符)は斜線で記された位置になります。
1拍目は1つ目、2拍目は2つ目、3泊目は3つ目、4泊目は4つ目に音を出す表記を記してみました。(つまり拍で考える全てのパターンというわけです。)
基本的に譜面に記されているコードというのはルート指定がありません。
譜面に記されたコードは全て楽器弾きの感性にゆだねられます。
あえてコードに指定があるとするなら、上記のように斜線ではなく、音符で和音が表記されていた場合、最も高い音を表記の音符と合わせることがありますが、また別の機会に説明しますね。
どの弦をルートにしたAコードでもかまいませんが、上記の場合は練習なので出来れば6弦から順にルートを変えてみることをおすすめします。
慣れてきたら1拍ごとにルートを変えて弾いてみるのも良い練習になりますね。
では説明に入ります。
上記の図は更に譜面を色分けして音を出す位置とブラッシングの位置を見やすくしたものです。
青枠はブラッシング。
メトロノームのテンポに合わせてピッキングをアップ・ダウンで繰り返している状況で指板の指が弦に触れてミュート(消音)しています。
赤枠はコードを弾く。
ブラッシングを行っている状況の中、メトロノームのテンポに合わせて指板の指が弦を押さえてコード音を鳴らしています。
つまり、指板の指はテンポに合わせてダウン・アップを繰り返してブラッシングを行っているピッキングに合わせて・・・。
①指板の指が弦に触れている状態。⇒ 青枠 ブラッシング(ミュート)
②指板の指が弦を押さえた状態。 ⇒ 赤枠 音を出す
の①と②を切り替えているだけなんですね・・。
あとは、①と②を切り替えながら譜面に記された・・・。
・コードを探す作業。
(譜面に書かれているコードは予め探っておきましょう。)
・指定の位置でコードを鳴らす。
(どんな曲でも大体パターンが決まっていますので一通りこなして覚えてしまいましょう。)
を、こなしていけば良いだけです。(簡単に言うよね・・・。)
とは言っても、まだまだ1曲まるまる弾くのは、まだまだ難しいという方もおられるでしょうから、曲の中にあるパターンを探して(2~4小節)練習していくと良いでしょう。
例えば、好きなアーティストの譜面の中から2~4小節のパターンを探して抜き出します。
2~4小節を抜き出したら・・。
指板を眺めてコードを探してみましょう。
いくつかのコードが書かれていた場合は、どのようにコードを作ってやれば指に無理なくコードチェンジ出来て、なおかつ聞いた時に違和感がないことを考えてみましょう。
2~4小節のリズム符をループ練習する。
コードが決まったら、あとはひたすらメトロノームのテンポに合わせて練習あるのみです。
原曲のテンポで弾けない場合はテンポを遅くして、まずは自分自身が歌えるか?を確かめてみましょう。
音を出すピッキングの方向(ダウンorアップ)を意識する。
さて、何度も言いますが、必ずメトロノームを使用するように心掛けて下さいね。
メトロノームを使用して練習している人と、そうでない人の違いは間違いなくハッキリと目に見えるほど違ってきます。
そしてリズム感を常に意識出来なければ、絶対に格好良く弾けないことを断言します。
「でもメトロノームのテンポの速さって、どうやって決めるの?」と悩んでいる方もいるかと思います。
自分も若い時は「とにかく速いテンポで・・・。」などとテンポの速さにこだわっていたりしたものです。
ポイントは、自分の心の中で一音一音がしっかりと歌えることが出来ているか?です。
これ、超重要です!! 遅いテンポも速いテンポも同じことです。
というわけで、まずはあなたが心の中で歌える遅いテンポから練習していきましょう。
慣れてきたら少しずつテンポを上げていけば良いですが、心の中で歌えなくなってきたら、それは「速すぎる」ということです。
ではピッキングについて説明します。
ピッキングの順番は基本的にダウン⇒アップの繰り返しになります。
上記の場合、意識的には拍ごとの最初のダウンを意識しましょう。
1拍16分音符なので①ダウン⇒②アップ⇒③ダウン⇒④アップの①ダウンを意識しましょう。
ここで間違ってはいけないのが、あくまでも「意識」なので音を強くするわけではありません。
先程言っていた、心の中の歌声で拍ごとの①ダウンを意識することです。
(心の中ではアクセントをつけても大丈夫です。)
そして、まずは一定の強さでダウン・アップのピッキングを繰り返しましょう。
注意点は遅いテンポでも手首の振りは遅くならないことです。
「ジャラ・・ジャラ・・ジャラ・・ジャラ・・。」
ではなく・・。
「カッ・・カッ・・カッ・・カッ・・。」
という具合にタイトなピッキングを心がけましょう。
音の強弱を考える。
最初はピッキングのリズムを一定に保つことや、コードをしっかり押さえることや、コードチェンジなどが出来る様になるまで大変だと思います。
練習を繰り返して段々と慣れてきたら、音の強弱を意識しましょう。
上記の図に「強く」と記した箇所があります。
その部分だけ、ピッキングを強くするだけで全体的にアクセントが設けられて、いわゆるグルーヴ感が生まれます。
人の耳は音の強弱によっても表現を聞き分けますが、私が思うにそれをハッキリと意識している楽器弾きは本当に上達が早いです。
そして何よりそんな演奏はリスナーに驚きと感動を与えます。
上記の図では1小節のループ練習なので1つだけ強い音があれば十分でしょう。
しかし、1曲まるまるとなるとそうはいきません。
予め、強い音と弱い音の違いをハッキリとしておかなければ決してグルーヴ感も生まれないし驚きや感動もリスナーに与えられません。
私自身、曲を作るようになってからDTM(デスクトップ・ミュージック)を駆使して
ドラムの打ち込み作業をしていた時の話です。
一通りのドラムの打ち込みが終わってから聞き直してみると「全然リアルじゃない。」なんて思って「でも機械で表現なんて所詮無理なんだよね。」と、そのまま曲を作っていました。
しかしある時、友達が作ったドラムの打ち込みを聞いたときに唖然としたのです。
「俺のより安いソフトで打ち込んでるのに、なんでこんなにリアルなんだ?」って・。
それは簡単な話でした。
友達は自分の作ったドラムデータを眺めてこう言いました。
「音の強弱もちゃんと見直さないといけないよ・・。」
そう言って友達が音の強弱を見直してくれると・・・。
「うわ~・・やっぱり次はこっちのソフト買うわ~・・。」って言ってました。
あっという間にリアルなドラムに変わったんですね。
つまり、そこで学んだことは・・・。
どんなに良い機材や楽器を持っていても使いこなす知識や技術がなければ意味がない。
ということです。
前にも音楽の三大要素を説明しましたが復習しておきますね。
①リズム
②音の強弱
③ハーモニー
どうですか?既にカッティングで全て必要になってきてませんか?
その時の自分は音楽の三大要素である音の強弱を安易に考えていたということです。
つまりその時の私のギターレベルはグルーヴ感も出せなければリスナーに驚きや感動も与えられないレベルだったというわけです。
ただ指が早く動かせるとか、有名アーティストの曲が弾けるとかっていうレベルです。
それでも、リスナーは自分のギターサウンドを聞いても何の驚きも感動も無かったことは紛れもない事実だったでしょう。
それほどまでに、この音の強弱という要素は紛れもなく大きな武器となるということです。
では最後にカッティングが上手くなるとどんなプレイが可能になるのか?を動画で紹介しておきますね。
では今回のロックギター講座は「カッティング編」でした。
ではまた・・。